日曜日の庭から2
藤の花が開くと、クマンバチがやって来た
冬眠から目覚めたカナヘビが
羽化したばかりのシジミタテハ蝶を襲った
銜えられた蝶の足は宙をけったが次の瞬間あっさりと呑みこまれた
ゆうべ土竜が掘った穴だと耳打ちすると
あなたはくすぐったいと身をよじって笑った
そのとき向日葵の種子を啄んでいた鶸たちが驚いて
いっせいに飛び立った
桑の木に新芽が出てきただけなのに
あなたも鵯鳥もなんだか浮き浮きしてしまう
柿の木肌に耳をよせると
樹液の昇ってくる音がヨーヨーマの弦の響きのようだ
大根とブロッコリーの残りの花々の上を
黒揚羽とならんで何かが、舞うように飛び回っている
身体から抜け出したあなたが
夢みながら、飛んでいるのだ
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