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May 25, 2005

こいびと

こいびとよ
春の草むらが香り立っているではないか

ぼくは答えを待っている
そのときあなたは小さな欠伸をする

ぼくは子供のように抗議する
そのときあなたはふいに忘れていたことを思い出す

自分が誰だったのか 
あなたはわきあがる雲 羊水のなかを泳ぐ両生類

あなたは満ちてくる潮 しなやかに熱いからだのけだもの
あなたは流れてゆく川 絶えまなく死んでいくもの生まれてくるもの

こいびとよ ぼくもさっき気づいたばかりだ
自分を消さない限り、あなたには出会えないと

これからときどきぼくはぼくではない
これからときどきぼくは何処にもいない

そのときぼくはあなたの海に潜水しているだろう 
そのときぼくはあなたの空で羽搏いているだろう

そのときぼくはあなたの草むらで死に
そして生まれているだろう

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